乳幼児睡眠コンサルタントに聞く、寝かしつけ術。

2021/06/22

「子どもがなかなか寝てくれない……」「夜泣きが続いて悩んでいます……」など、お子さんの寝かしつけや睡眠に悩んでいるママやパパは多いでしょう。ネット上には、たくさんの寝かしつけ方法に関する情報が公開されていますが、正しいか否か、判断が難しいですよね。

米国IPHI 妊婦と子供の睡眠コンサルタントで、年間100名以上のママからの赤ちゃんの夜泣きや寝かしつけに関する悩み相談を受けている前田暁美さんに、お子さんにとってより良い睡眠環境や、寝かしつけの心構えなどについてお話を伺いました。

寝床に物は一切置かないで!最も大切なのは「安全であること」

安全であること

まずお子さんの睡眠を考えるときに、何よりも大切なのは「安全であること」です。お子さんが1歳を迎えるまでは、窒息などの事故を防ぐためできるだけベビーベッドなどの寝床に枕、布団類などを含めて、すべての物を入れないようにします。寒い時期はスリーパーを着せて温度調整してあげましょう。

赤ちゃんが寒いのではないかと、たくさん服を着せたり、寝具をかけたりする方がいますが、大人が少し肌寒いと思うような枚数がちょうどいいとされています。季節や室温に合わせて、様子を見ながら調整してくださいね。

良い睡眠のための三原則は「光」「音」「寝床」

良質な睡眠に欠かせない三原則

良い睡眠のために大切なのは「光」「音」「寝床」です。気づかないうちに、お子さんの睡眠を妨げる原因を生んでいるかもしれません。

スマートフォンの光には要注意!

まず睡眠時の部屋は、必ずしも真っ暗でなければいけないわけではありません。お子さんがよく眠れているようなら、豆電球など間接的な明かりがついていても大丈夫。

それよりも気を付けてほしいのが、スマートフォンの光です。寝る前にスマホを見ることは、大人にとっても良くないですが、お子さんの睡眠に影響が出る可能性があります。できるだけ寝床にはスマホをもちこまない、お子さんの手の届かないところに置くなど配慮しましょう。

音に敏感なお子さんには「ホワイトノイズ」がおすすめ

次に「音」ですが、ちょっとくらいの音では起きないお子さんもいれば、少しの音でも目を覚ましてしまったり、眠りが浅くなってしまったりする、音に敏感なお子さんもいます。そんなときには「ホワイトノイズ」が効果を発揮するかもしれません。

「ホワイトノイズ」とはあらゆる周波数成分を同等に含む雑音のことで、耳障りな音や気が散る騒音をかき消してくれます。「ホワイトノイズスピーカー」が市販されているので、とり入れてみてはいかがでしょうか。「ホワイトノイズ」が出るアプリもあるので、まずは購入前に試してみてもいいですね。

子どもの寝床の周りにはものを置かないで!

最初にお話したとおり、お子さんの睡眠に一番大切なのは「安全」です。寝床はベビーベッドがおすすめ。ただしベビーベッドの中に枕やぬいぐるみなどを入れてしまわないように注意しましょう。思いがけない事故につながる可能性があります。

日本の住環境では布団に寝かしつけをしている方も多いと思います。もちろん布団もOKですが、ベビーベッド同様周りに物を置かないようにご注意を。また見落としがちなのが、寝室のコンセントです。お子さんが寝返りをうったり、目覚めたりしたときにさわってしまうことがないように、必ず確認しましょう。

子どもが疲れ果てる前に寝かしつけ時間を調整

寝かしつけ時間を調整

なかなか寝かしつけられない原因のひとつが、お子さんが疲れ果ててから寝かしつけをしているパターンです。疲れすぎてしまうと、コルチゾールというストレスホルモンが分泌され、眠れなかったり、途中で夜泣きをしたりする睡眠トラブルにつながってしまいます。そうなってしまう前のタイミングで、寝かしつけをすることがポイント。

例えば昼寝のあと、生後6カ月なら2時間、1歳前後で3時間半、2~3歳くらいで5~6時間後くらいがベストな睡眠のタイミングだと言われています。もちろん個人差もありますから、お子さんの様子を見ながら昼寝の時間や寝かしつけのタイミングを調整してみましょう。

子どもの夜泣きは「寝言泣き」の可能性大!

ほかにもお悩み相談でよく聞くのが、お子さんが夜泣きしたときにすぐに起きて対応しているというパターン。夜中に泣くのは、いわゆる「寝言泣き」である場合が多く、そこで抱きかかえて起こしてしまうと、覚醒してしまい再び眠りにつくまで時間がかかってしまい、逆効果になることも。2~3分ほど様子を見て、それでも泣き止まないようであれば、対応するようにしてみてください。

寝かしつけ前のルーティンを守ることが大切

ルーティーンを決めよう

寝る前にすることをルーティン化してあげることで、「これが終わったら、次に寝るんだな」とお子さん自身で理解できるようになり、安心して眠りにつけるようになります。低月齢のころからでも続けていくと、徐々にルーティンが身についていきますよ。

理想はお風呂から上がって45分以内にルーティンを終わらせて寝床へつくこと。45分~1時間後くらいから、入浴で上がった体温が下がりはじめ、眠くなりやすいとされています。

イヤイヤ期の寝かしつけは雰囲気づくりを

2~3歳ころの「イヤイヤ期」の寝かしつけに悩んでいるママも多くいます。体力もついてきて「まだ寝たくない!」「もっと遊びたい!」と自己主張をし始める時期でもありますね。

そんなときは、寝るための雰囲気づくりが大切です。食事や入浴が終わったら、リビングの明かりを落として、走り回るような遊びはやめにします。

お子さんに「寝ることをポジティブに思わせる」のもコツ。寝る前のルーティンを達成したらシールを貼るなどゲーム感覚を取り入れて、お子さん自身に「寝るぞ!」という気持ちを持たせる工夫をしてみましょう。

もし寝る前に「部屋が暗いのがこわい」「おばけが出るかもしれない」と怖がっているようなら、暗闇や睡眠をテーマにした絵本を読んで、落ち着かせてあげるのもいいですね。おばけが怖いお子さんには、水を入れたスプレーボトルを用意してみてください。「モンスタースプレー」と名付けて、寝る前にシュッとひとふき。おばけが寄ってこないおまじないをするだけで、安心して眠りにつけますよ。

もしも悩んでいるのなら…寝かしつけに不正解はない!

不正解はない!

お子さんの睡眠に関する相談で一番多いのは、「この寝かしつけ方法ってダメですか?」。私がいつもママやパパたちに話しているのは「お母さんやお父さんがつらいのなら、別の方法に変えてみましょう」ということです。

私自身も長女を出産後、寝かしつけにとても苦労しました。「これでは自分の時間がまったく取れない……」と悩んでいた時期も。いろいろ調べていくうちに睡眠コンサルタントの存在を知り、育休中に資格を取りました。

ネットを見れば、お子さんの寝かしつけにまつわる情報はたくさんあります。中には正しいものもあれば、もちろん正しくないものも……。そういった情報に振り回される必要は全くありません。特にSNSの情報が心の負担になっている方も多いです。

添い寝や夜間授乳など、ママ自身が負担に感じず、お子さんがうまく寝てくれるのならば続けていいと思います。安全が守られていれば、寝かしつけに不正解はありません。でも、夜間授乳のために睡眠時間が取れず、仕事がすごくつらくなったり、寝かしつけに時間がかかって自分のための時間が取れないことがストレスに感じているのなら、別のやり方に目を向けてみましょう。

そのときに別の方法を調べるのなら、専門家の監修がついているネット記事や、本屋さんもおすすめ。お子さん睡眠や寝かしつけに関する本はたくさんあるので、どれにするか迷ってしまうかもしれませんが、内容を見てみて自分に一番合っていそうなものを1冊選びましょう。何冊も購入する必要はありませんし、自分のライフスタイルや考え方に合わないものを無理して取り入れることはないのです。それでも悩みが解決しないときは、プロの力を借りましょう。最近では妻が悩んでいるようだからと、夫が相談を寄せてくるケースも多いです。

ママが悩んでいると、お子さんにもその気持ちは伝わってしまいます。ママが悩めば悩むほど、お子さんは不安を感じて余計に寝なくなってしまうものです。上手に息抜きをする時間ももちながら、ママが笑顔で過ごせる方法を探してみてくださいね。

教えてくれたのは
前田さん

前田暁美さん
ママ専用オンラインスクールをはじめ、子育て家族のライフデザインブランド「Famm(ファム)」を展開する株式会社Timersの広報担当。2018年に第一子を出産し、2020年7月に育児休暇より復帰。育休中に米国IPHI 妊婦と子供の睡眠コンサルタントの資格を取得。赤ちゃんの夜泣きや寝かしつけをサポートするMAMA’S PARTNERを立ち上げ、睡眠講座や個別相談をおこなっている。
https://ameblo.jp/mamaspartners/

自分時間も大切にして、ゆとりある暮らしの充実を

ゆとりある暮らしを

前田さん自身も3歳の女の子を育てるママ。寝かしつけに悩んだ経験から、株式会社TIMERSの広報としてフルタイムで働く傍ら、睡眠コンサルタントとしてたくさんのママやパパたちの相談に応じています。仕事のあとにその時間が取れるのも、寝かしつけの悩みが減ったから。自分時間を持てるようになったことで、お子さんと過ごす時間もより濃いものになっているそうです。

⇒前田さんのインタビュー記事はこちら

お子さんとの時間を楽しく充実させるために、日々の家事も上手に時短したいもの。こちらの記事を参考に、無理のないゆとりある暮らしを実現させるきっかけにしてみてくださいね!

⇒自分時間をつくる家事の時短術はこちら

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