おせち料理の意味と由来とは?お子さんと一緒に日本の伝統を楽しみましょう

2020/12/28

日本のお正月の伝統である「おせち料理」。年に一度、食育のためにも子どもに正しくその意味を伝えてあげたいですね。おせち料理の始まりや、「一の重」「二の重」「三の重」の意味など、家族で知っておきたいおせち料理の基本をご紹介します。

たくさんの幸せに授かれるように年神様にお供えしたのが「おせち料理」

「おせち料理」は、今ではお正月に食べるものになっていますが、元々は季節の変わり目の節句(節供)に神様にお供えした料理。そのなかでもお正月が一番重要な節句であることから、次第に「おせち料理」といえばお正月料理をさすようになったと言われています。

年神様は元旦に、新年の幸せをもたらすために高い山から家々に降りてくる神様。昔の人は、祖先の霊が“田の神”や“山の神”になり、さらにはお正月に“年神様”となって、子孫の繁栄を見守ってくれるのだと考えていました。そこでたくさんの幸せを授かりたいと、年神様をお迎えし、お祝いするさまざまな風習や行事が生まれたのだとか。

「おせち料理」は、年神様へのお供え料理であると同時に、五穀豊穣、子孫繁栄、家内安全など、家族の幸せを願い、祈りを込める縁起ものの料理。「おせち料理」の一つひとつには、おめでたい意味やいわれがあるのです。

【一の重】お屠蘇に合うように作られた祝い肴と口取り

「おせち料理」は、懐石料理と同じくコース料理のようになっています。「祝い肴」「口取り」「焼き物」「酢の物」「煮物」の5種類に大きく分けられ、その一つひとつにおめでたい意味やいわれがあります。

「おせち料理」は、重箱に詰めるイメージがありますね。実はこれにも意味があり、「幸せを重ねる」という意味が込められています。今回は一般的な三段重の場合の意味についてご紹介していきます。

お屠蘇のお供「祝い肴」

まず「一の重」に入るのは、祝い肴と口取りです。祝い肴とは、お祝いの場の“祝い膳”として提供される酒の肴のこと。お正月には、無病息災を願ってお屠蘇(とそ)を飲みますが、おせち料理の祝い肴はそのときに一緒に食べられるようにつくられています。

なかでも代表的なものを「祝い肴三種」といって、この三品(とお餅)が揃えばおせちの形が整い、お正月が迎えられるとされています。

【祝い肴3種①】黒豆「マメに元気に働けるように」

祝い肴の代表的な3種のひとつが「黒豆」。黒い見た目から邪気払いの意味と、黒く日焼けするほどマメに、勤勉に働けるようにと無病息災の願いが込められています。

【祝い肴3種②】数の子は「子孫繁栄」を願う縁起物!

ニシンの腹子である数の子。卵の数の多さから「子孫繁栄」を願う縁起物とされています。

【祝い肴3種③】「五穀豊穣」の願いが込められた、田作り・ごまめ

片口イワシの稚魚を干して飴炊きにしたものが「田作り」で「ごまめ」とも呼ばれます。片口イワシを農作物の肥料にすると、五万俵もの米が実ると言われたことから五穀豊穣への願いが込められています。

お節料理の中身は地方によって異なり、関西では「田作り・ごまめ」の代わりに「たたきごぼう」が祝い肴3種のひとつとされることもあります。

祝い肴と共に一の重を彩る「口取り」

祝い肴と共に一の重に詰められる口取りとは、お祝いごとの場でお吸い物と一緒に最初に提供される肴のこと。伊達巻や栗きんとんなど甘い味付けの料理が多く、子どもから高齢者まで幅広く楽しめます。

伊達巻はまるで書物のような見た目から込められた願いは「学業成就」

おせち料理の華やかさを演出する特徴的な見た目の伊達巻。「巻物」に似ていて、昔の書物のようであることから、学業成就の願いが込められています。

黄金色の見た目から「金運上昇」を願う栗きんとん

金塊や小判などを連想させる黄金色の見た目から、金運上昇の願いが込められた栗きんとん。きんとんは漢字で「金団」と書き、金運を呼ぶ縁起物とされています。

「よろこぶ」に似ていることから縁起のいい「昆布巻き」

昆布巻きのいわれはいくつかあり、ひとつは「子生(こぶ)」と漢字を当てることから子孫繁栄への願いが込められていること。さらに「よろこぶ」に似ていることから、縁起がいいとされているほか、「養老昆布」とも書かれ不老長寿も願った料理という説もあります。

【二の重】豪華な海の幸の「焼き物」や「酢の物」

二の重には「焼き物」と「酢の物」が入ります。「焼き物」は出世魚であるブリやタイ、えびといった海の幸の縁起物の食材を使用します。

ひげが長く腰の曲がったお年寄りみたい!?「長寿」を願うえび

長いひげと折り曲がった腰の様子がお年寄りを連想させるえびは、「長寿」を祈願する縁起物。目が飛び出している見た目から「めでたし(目出たし)」という意味も。鮮やかな紅白の見た目もお正月らしさを演出します。

おせち料理に欠かせない「酢の物」の代表格・紅白なます

「焼き物」と一緒に二の重を彩る「酢の物」。その中でも大根とにんじんを使った「紅白なます」は、紅白のお祝いの水引をイメージさせ、一家の平和を願う料理とされています。

「酢の物」にはほかに、穴があいていて向こう側が見通せるので将来の見通しがよいといわれ、種が多く子孫繁栄の象徴ともされる「れんこんの酢漬け」や、梅の木が長寿であり、お年寄りのようなシワのある見た目から長寿祈願の縁起物とされる梅干もよく食されています。

【三の重】煮しめ、筑前煮など山の幸を使った煮物

二の重が海の幸なら、三の重に詰められるのは山の幸を使った煮物。その土地に伝わる郷土料理や煮しめ、筑前煮など、さまざまな煮物が全国で楽しまれています。

それぞれの煮物や、使われる食材にも意味があり、たとえば筑前煮は「だいこん・れんこん・にんじん・こんにゃく」など「ん」がつく食材が多く入ることから「運」がつく縁起物といわれています。

煮しめはさまざまな願いが込められた山の幸をひとつの鍋で一緒に煮ることから、「家族が仲良く結ばれますように」という願いが込められています。

お正月しか見かけない!? くわいは「立身出世」の象徴

お正月以外ではなかなか目にすることのない「くわい」。丸い塊茎から突き出た芽が「芽出たい」と縁起をかつぎ、昔からおせち料理によく使われ、煮るとホクホクとした食感が楽しめます。空に向かってまっすぐと芽を出し伸びていく姿から、「立身出世」の象徴ともされています。

沖縄では「おせち料理」は食べない!?全国各地のお正月事情

ここまで一般的なおせち料理を紹介してきましたが、全国各地でそれぞれの特産物などを使った伝統のおせち料理があります。たとえば宮城県では子持ちのなめたかれいの煮物が縁起物とされていたり、山口県ではふぐを刺身や煮物などにして食べたりします。

沖縄県では、一般的なおせち料理と同じように重箱を使用しますが、中身はまったく異なり、天ぷら、かまぼこ、昆布、ごぼうなどを詰めます。さらにお雑煮ではなく、中身汁と言われる豚のモツを使ったスープやイナムドゥチという豚肉を白味噌で煮込んだ伝統的な汁ものを食べるそう。同じ日本のなかでもさまざまな文化や料理があり、その違いを知るだけでもお子さんと一緒に楽しめますね。

おせち料理から生きた食育体験を!

お子さんとお住いの地域や、ご家族の出身地のおせち料理について調べてみたり、一緒につくってみたりすることは、日本の伝統を知ることにもなり、生きた食育体験にもつながります。それぞれのお料理の意味を確認しながらおせち料理を味わったり、かるたや福笑いなどの日本の伝統的なお正月遊びをしたり、ご家族で有意義なお正月を過ごしてみてはいかがでしょうか。

そのほかにも、ご家族でおうち時間を楽しむためのアイデアを集めたこちらの記事をぜひご覧ください。2021年が、みなさまにとってよい年になりますように。

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