再生可能エネルギーが未来を変える!その特徴やしくみとは?【親子で学ぶエネルギーの未来】

2020/07/31

私たちの暮らしにエネルギーは欠かせません。おうちでガスコンロや電子レンジを使ってごはんをつくったり、電車やクルマに乗って出かけたり、電気をつけて勉強したり。いつも当たり前のように生活している日常は、エネルギーがその一部を支えています。

現在、日本では、石油・石炭・天然ガスがおもなエネルギー資源として使用されていますが、近年、地球環境への取り組みとともに注目されているのが「再生可能エネルギー」です。

再生可能エネルギーとは、一体、どのようなエネルギーなのでしょうか?また私たちの生活にどのような影響があるのでしょうか?ここでは、再生可能エネルギーのメリット・デメリットから、日本が抱えているエネルギー資源の課題まで、エネルギーついて解説します。

再生可能エネルギーとは

電気、都市ガス、ガソリンなど、私たちの暮らしを支えているエネルギーは、さまざまな資源からつくられています。エネルギー資源は、大きく石油、石炭、天然ガスといった、いずれ尽きてしまう「化石燃料」と、太陽光や風力、地熱など、自然界に存在し続ける「再生可能エネルギー」に分類されます。

日本の総発電量のうち再生可能エネルギーの比率は、2017年度で約16%(※1)。政府は、2030年までにこの再生可能エネルギーの割合を、22~24%まで引き上げることをめざしています。全世界的に深刻な環境問題がさけばれるなか、日本でも再生可能エネルギーを国の主力電源とする動きが進められているのです。

なぜ今、政府は「再生可能エネルギー」を推進しようとしているのでしょうか。その答えを探る前に、まずは「再生可能エネルギー」の特徴とメリット・デメリットを簡単に解説します。

※1)出典:資源エネルギー庁総務課戦略企画室「平成29年度(2017年度)におけるエネルギー需給実績(確報)」より

再生可能エネルギーの特徴

現在、再生可能エネルギーには、以下の7種類があります。

(1)太陽光
(2)風力
(3)水力
(4)地熱
(5)太陽熱
(6)大気中の熱、その他自然界に存在している熱
(7)バイオマス(動植物が由来の有機物)

再生可能エネルギーの基準は、「枯渇しない」「どこにでも存在する」「二酸化炭素を排出しない」の3点。自然の力を利用して発電することで、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素を排出しないため、地球環境にやさしく、未来を見すえた発電方法として注目が高まっています。

しかし、再生可能エネルギーは季節や天候といった自然界の影響を受けやすいという特徴があります。その結果、安定的に発電することができないという課題があります。

どうして再生可能エネルギーが必要なの?

再生可能エネルギーは、地球の環境問題と深い関わりがあります。たとえば北極の氷が溶けたり、干ばつや洪水など自然災害が増えているのは、地球の温度が上昇してしまう地球温暖化が影響しています。

そのおもな原因となっているのが、温室効果ガスです。人類が大量に生産と消費を行ったことで増えてしまった温室効果ガスのなかでもとりわけ、二酸化炭素は地球温暖化に及ぼす影響がもっとも大きいとされています。

そこで、世界の国々は二酸化炭素の排出量を減らすことで、地球環境を守ろうという取り組みをはじめました。日本は、2030年までに26%の二酸化炭素排出量を削減することを目標に掲げています。

このことから、発電時に二酸化炭素を排出しないクリーンな再生可能エネルギーを増やそうという動きが高まっているのです。また再生可能エネルギーは主に国内の資源から成り立つことから、「エネルギー自給率」が上がることも期待されています。

日本と世界のエネルギー自給率の違い

エネルギー自給率とは、生活や経済活動に必要なエネルギーのうち、自国内で確保できる割合のことを指します。では、日本のエネルギー自給率はどのくらいあるのでしょうか?2017年の日本のエネルギー自給率は、わずか9.6%(※2)。残りは石油、石炭、天然ガスなどの輸入資源に頼っているのです。

下記グラフを見てみましょう。日本のエネルギー自給率は、欧米諸国と比較してとても低い水準です。ヨーロッパの国々は陸続きなので、周辺国と送電線やパイプラインをつないでエネルギーを輸出入することができますが、島国の日本は海の向こうからエネルギーを運ばなければならないことも自給率の低さに関係しています。

※2)出典:資源エネルギー庁総務課戦略企画室「平成29年度(2017年度)におけるエネルギー需給実績(確報)」より

主要国の一次エネルギー自給率比較(2017年)

出典:IEA「World Energy Balances 2018」の2017年推計値、日本のみ「総合エネルギー統計」の2017年度確報値

日本には、再生可能エネルギーのほかに、原子力発電があります。原子力発電は、燃料のリサイクルができることから貴重なエネルギー源として使用されエネルギー自給率の多くを占めていましたが、2011年の東日本大震災以降、原子力発電所が停止したことで、エネルギー自給率は大きく下がっています。

日本のエネルギー自給率

出典:IEA「World Energy Balances 2018」の2017年推計値、日本のみ「総合エネルギー統計」の2017年度確報値

また日本が輸入しているエネルギー資源のうち、約40%を占める原油は、その8割を中東諸国に依存しています。中東地域は国際情勢が不安定なことから、原油の供給が安定せず、価格が政情によって高騰するなど、多くの問題を抱えています。石油は、いずれは枯渇する化石燃料であり、もしも主力資源のひとつである石油の輸入が途絶えてしまったら、私たちの生活に、大きな影響が出てくることは間違いありません。こうした日本のエネルギー自給率の問題を解決するエネルギーとしても、再生可能エネルギーは大きな期待が寄せられているのです。

実用化が進む“5つ”の再生可能エネルギー

ここでは、すでに実用化が進んでいる5つの再生可能エネルギーについて解説しましょう。

太陽光発電

太陽光発電は、太陽からの光エネルギーを電力に変換する「太陽電池」を利用します。これが集合体となったものが、ソーラーパネルです。

太陽光発電は、大きさによっては設置する場所や地域に制限がなく、民家の屋根に設置することができるなど、導入しやすいというメリットがあります。また災害時には、常用電源として利用できる場合もあるという点も大きな注目点です。

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風力発電

風力発電は、風車のような形をした巨大な羽根部分が回転することで電気を発生させる、風の力を利用した再生可能エネルギーです。

設備が高さ100m以上になることから広い土地が必要で、住宅地やビルが密集する街中での設置はむずかしく、海沿いや山の上に設置されます。好条件がそろったときは、火力発電並みの低コストが実現することから、経済的にもメリットのある再生可能エネルギーと言われています。

一方で、天候がおだやかで風が弱い場合は動力が得られないため、発電されないというデメリットもあります。そのため年間を通して安定的に風が吹く場所に適していて、最近では海の上に設置する計画も進んでいます。

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バイオマス発電

バイオマス発電は、木くずや燃えるゴミ、家畜のフンなど、生物資源を燃やすときの熱を利用して電気を発生させる方法です。

通常、ものを燃やすと二酸化炭素が排出されますが、バイオマス資源を燃料とした発電は、二酸化炭素の増減に影響を与えない「カーボンニュートラル」という発想のもと用いられています。カーボンニュートラルとは、燃焼時に発生する二酸化炭素と同じ量の二酸化炭素が燃焼前のバイオマス資源に吸収されていることから、結果的に大気中に排出される二酸化炭素の量はプラスマイナスでゼロになるという考え方です。廃棄物をエネルギーとして活用できることが大きなメリットですが、資源の収集や運搬、管理にコストがかかることが課題となっています。

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水力発電

水力発電は、水が高いところから低いところへ移動するときに発生するエネルギーを利用した再生可能エネルギーです。水力発電を代表するのが巨大ダム。雨量が多く、水に恵まれている日本では、再生可能エネルギーのうち半分近くは水力発電が利用されています。二酸化炭素はもちろん、大気汚染の原因となる物質を発生させることもないので、もっともクリーンな再生可能エネルギーであると言えるでしょう。

しかし、大型ダムの建設は自然環境に大きな影響を与えるうえ、建設費用などのコストがかかること、また発電量が降水量に左右されてしまうことなどが課題となっています。

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地熱発電

地上で降った雨は、地下のマグマ層に到達すると蒸気になって地下深くにたまります。井戸を掘り、この蒸気を噴出させることで発電するのが、地熱発電のしくみです。地球内部のマグマ熱を利用することから、時間や季節の影響を受けない安定性と、尽きない資源として注目されています。

しかし、発電設備の建設費や開発費のコストがかさんでしまうことが課題です。また火山帯にあって地熱資源に恵まれている日本において、地熱発電の整備が進まない理由には、適した場所の多くが国立公園の保護区や温泉地にあることもあげられます。

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地球の未来を左右する再生可能エネルギー

地球環境に配慮した再生可能エネルギーには、多くのメリットがある一方で、その発電方法や設備によってデメリットもあり、化石エネルギーに代わるエネルギーとしてなかなか導入が進まないのが現状です。

しかし、技術の進歩により、再生可能エネルギーの開発は課題をひとつひとつ解決しながら着実に実用性は高まりつつあります。日本だけでなく、地球の未来を左右するエネルギー問題。環境問題を解決するひとつの手段として再生可能エネルギーは、大きな期待がよせられています。私たちの暮らしに密接に関わる大切なテーマなので、日頃から家族で関心を持っておきたいですね。

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