なぜレジ袋は有料化になったの?その疑問にお答えします!

2020/09/23

コンビニやスーパーで買い物をすると手渡されることが当然だったプラスチック製のレジ袋が、2020年7月1日から日本全国で一斉に無料配布は禁止され、有料化されました。突然レジ袋が無料でもらえなくなり、不便さを感じている方も多いのではないでしょうか。

なぜレジ袋は有料化されたのでしょうか?この記事では、そんなみなさまの疑問にお答えすべく、背景にある環境問題や、最近、よく聞くようになった「エシカル消費」の考え方についてわかりやすく解説します。

レジ袋有料化の理由とは?

まずはじめに、日本全国でレジ袋が有料化された理由や、対象の店舗について説明しましょう。

レジ袋は環境に悪い?

そもそもなぜレジ袋は有料となったのでしょうか?その理由には、ごみ問題と環境問題が深く関わっています。

これまで私たちが消費してきたレジ袋は、スーパーで主に利用されているLLサイズで換算すると年間で305億枚と推定されています。国民一人あたりではおよそ300枚、重さにすると約300kg。また、年間305億枚というレジ袋の資源採取から処分までに必要とするエネルギーを原油に置き換えると約42万キロリットル。これは超大型の石油タンカー2隻分にあたり、25mプールでは約1,200個がいっぱいになってしまう量です(※1)。

それだけでなく、レジ袋の処理には多額の税金が使われています。レジ袋の処理には、①プラスチック製容器としてリサイクルする、②家庭ごみとして焼却する、という2種類の方法を取ることが多いですが、平成26年度の仙台市では、リサイクルと焼却を合わせて、レジ袋の処分に1億928万円という多額の経費がかかっているという試算も出ています(※2)。

また、自然環境への悪影響も懸念されています。行楽地ではごみが散乱することが問題となり、河川を通って山や海などに運ばれたレジ袋を野生動物が誤飲して命を落とす事故や、健康被害も数多く報告されています。

こうしたレジ袋も含めたプラスチックごみがもたらす問題は、地球環境を汚染し、地球温暖化につながる要因にもなることから、日本政府は積極的にレジ袋を削減する対策に取り組み始めたのです。

※1)経済産業省『なっトク、知っトク3R
※2)ワケルネット「レジ袋削減

対象の店は?

では、実際にレジ袋有料化の対象となるお店はどこかというと、コンビニエンスストア、スーパー、ドラッグストア、調剤薬局、衣料品店や書店など、小売業を営むすべての事業者。レジ袋とは、購入した商品を持ち運ぶために用いられるプラスチック製の買い物袋のことで、紙袋や布製の袋、持ち手のない袋は対象外となっています。

しかし、対象店舗にも関わらず、レジ袋有料化後も無料で配布しているお店に出会ったことはありませんか?

有料化後もレジ袋が無料の店があるのはなぜ?

ビニールのレジ袋でも、以下の3ついずれかに当てはまる場合は有料化の対象外となります(※3)。

①厚さが50マイクロメートル以上の袋
繰り返し使うことが可能なので、過剰なレジ袋の消費を抑制させることができるため

②海洋生分解性プラスチックの配合率が100%の袋
ごみとして海に流れてしまっても、微生物によって分解される素材で地球にやさしいとされるため

③バイオマス素材の配合率が25%以上の袋
植物由来のバイオマス素材でできているために、「カーボンニュートラル(※)」の考え方から地球温暖化対策になるため(※バイオマス素材を燃やすときには、植物が成長過程で吸収した二酸化炭素が大気中に戻るので二酸化炭素の濃度は上がらないという定義)

→カーボンニュートラルの考え方が適用された発電方法:「バイオマス発電」はこちら

マクドナルドやKFC、牛丼の吉野家などは、バイオマス素材のレジ袋を利用しているため、引き続き無料で配布しています。

また、消費者が袋の受け取りを断ることができない場合についても有料化対象外となります。たとえば袋自体が商品の一部である福袋や、別の法律が関わる免税店での買い物袋などが該当します。

さらに、景品や試供品を入れる場合など、商品の販売に当たらないときや、単発的なフリーマーケットの出品、学園祭の模擬店など、一時的な販売行為に関しても対象外となります。

※3)経済産業省「レジ袋削減にご協力ください!

世界の動きとエシカル消費

いままでご説明してきたレジ袋に関する規制ですが、実は日本だけのことではありません。ここでは、世界全体の動きや、レジ袋有料化によってよく耳にするようになった「エシカル消費」についても注目してみましょう。

世界は脱・石油社会に向かっている

日本がレジ袋を有料化する以前から、世界の60カ国以上ではすでにレジ袋禁止を含めた規制が施行されています(※4)。その背景には、環境意識の高いヨーロッパの先進国を中心に、脱・石油の動きが活発化していることが影響しています。

地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出に大きく関わっている石油や石炭などの化石燃料。レジ袋やプラスチック容器など、石油由来の資源を削減することはもちろん、発電やあらゆるエネルギー資源として石油を利用することは減らしていこうという動きが、現在の国際社会の潮流になっています。

一方、日本はというと、2014年時点で一人あたりのプラスチック容器包装の廃棄量はアメリカに次ぐ世界2位という結果(※4)。先進国として、世界各国と足並みを揃えて環境問題に取り組んで行く意思表示が必要とされているなか、今年、ようやくレジ袋有料化の取り組みがスタートしました。

※4)環境省・経済産業省「レジ袋チャレンジ

マイバッグの利用がエシカル消費につながる?

レジ袋有料化によって、お買い物時に欠かせない持ち物となったのがマイバッグ。マイバッグを持参することが日常的に環境問題について考えるきっかけとなり、「エシカルな消費」行動へとつながっていくとされています。

そもそも「エシカルな消費」とは、どのような意味なのでしょうか?

「倫理的な」という意味を持つ「エシカル」消費とは、たとえば製品の生産過程で、児童労働などが行われていないか、地産地消を促し地域に貢献しているかなどを、消費者自身が把握した上で商品を選ぶなど、物を購入・消費する際に社会や環境保全、地域のことを考える概念だとされています。

このように地球上で起きているさまざまな社会や環境問題を考え、解決しようとする成熟した消費行動をエシカル消費と呼び、世界中でその行動が広まりつつあります。マイバックを積極的に利用し、レジ袋を使用しない行動も、環境保全につながるエシカル消費のひとつとされているのです。

⇒エシカル消費の詳細はこちら

レジ袋の削減を通じ、地球の未来をずっと良いものに

現在、毎年約800万トンものプラスチックごみが海にたまり続け、このペースのままプラスチックごみが海に増え続けると、2050年にはプラスチックごみの重さが魚を上まわるとも言われています(※4)。

レジ袋の削減は、この問題を阻止するひとつのきっかけであり、行動です。私たちの小さな行動が、地球の未来をずっと良いものに変える可能性を持っているのです。

環境問題に関心を持ち、未来を見据える大きな目を持って、ぜひレジ袋の削減に取り組んでいきましょう。

<関連記事>
ほかにも、環境にやさしい取り組みはたくさんがあります。興味のある方は、ぜひこちらもご覧ください!

Top