バイオプラスチックとは? 無料でもらえるレジ袋の素材を解説

2020/12/23

2020年7月に日本全国でレジ袋が有料化になりました。マイバッグの持参が推奨されていますが、ついつい忘れてしまうという方も多いのではないでしょうか。そんなとき、無料でレジ袋をくれるお店だと、なんだか得したような気分になることもありますよね。

ところで、有料化されたはずなのに、どうして一部のお店では無料でレジ袋がもらえるのかをご存知ですか?その答えは、レジ袋の素材にあります。無料で配布されているのは、「バイオプラスチック」を利用したレジ袋。ここでは、環境対策として注目されているバイオプラスチックについてご紹介します。

バイオプラスチックとは?

バイオプラスチックとは、植物由来のバイオマスを原料とした「バイオマスプラスチック」と、微生物によって分解される「生分解性プラスチック」の総称です。

バイオマスプラスチックってなに?

バイオマスとは、再生可能な生物由来の有機性資源のこと。代表的な原料には家畜の排泄物や生ごみ、木くず、もみがらなどがあります。

バイオマスプラスチックのレジ袋は、一般的にジャガイモ、サトウキビ、トウモロコシ、大豆などの植物が原料になっています。また、バイオプラスチック製品は全面的にバイオマスを使用するか、部分的に使用するかによって細かく分類されます。

生分解性プラスチックってなに?

一方、通常のプラスチックと同程度の耐久性を持ちながら、微生物による分解が可能な「生分解性プラスチック」は、最終的に水と二酸化炭素となるのが特徴のため、プラスチックが放置ごみになってしまったときでも、いつかは自然に還ります。

この特徴を生かし、たとえば家庭やレストランの生ごみ袋や使い捨ての食器に生分解性プラスチックを使用することで、生ごみを袋ごと堆肥などの資源として利用することもできます。つまり生分解性プラスチックが普及することによって、廃棄物の削減が期待されているのです。

このように、原料によって表記されるバイオマスプラスチックに対し、自然に還るという特徴(機能)を表したバイオプラスチックが生分解性プラスチックになります。したがって厳密には同義語ではなく、たとえばサトウキビから得られたエタノールを基に製造されたプラスチックは、バイオマスプラスチックに該当しますが、生分解性は低いため、生分解性プラスチックには該当しない、ということもあるのです。

バイオプラスチック普及の背景

このバイオプラスチックが、今、環境対策として注目を集めています。

私たちの身の回りにあふれているプラスチック製品。1950年当時の世界のプラスチック生産量は、化学繊維を含めて200万トンでしたが、2015年には3億8000万トンに達しました。この期間のプラスチックの総生産量は、83億トンにのぼります(※1)。

使用済みプラスチックは、その9割以上が埋め立てに利用されたり、焼却処分されたり、海へ投棄されたりしています。リサイクルされたものはわずか9%。これまでの歴史で63億トンの廃棄プラスチックが生じたことになります。

さらに容器包装プラスチックなどの使用は拡大傾向にあり、現在のペースでいくと2050年までに120億トン以上の廃棄プラスチックが発生してしまうと予想されています(※2)。

世界のプラスチック総生産量の内訳でもっとも多い36%を占めるのが、プラスチック容器包装です。2017年時点の各国で一人当たりの廃棄量において、日本はアメリカに次いで世界で2番目に多い国となっています。プラスチック廃棄量の多い日本では、プラスチックごみの削減が急務となっています。このような背景があってバイオプラスチックの研究開発と普及に大きな期待が寄せられています。

※1)株式会社三菱総合研究所「生分解性プラスチックの課題と将来展望
※2)環境省「プラスチックを取り巻く国内外の状況

無料提供できるレジ袋は3種類

有料のレジ袋と無料のレジ袋には、どのよう違いがあるのでしょうか?お店で買い物をしたときに、無料でもらえるレジ袋には大きく3つのタイプがあります。

①バイオマス材料25%以上

   
出典:「一般社団法人日本有機資源協会(JORA)」「日本バイオプラスチック協会(JBPA)

原料にバイオマス材料を25%以上使用したレジ袋。日本の企業が生産しているものには、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラマークや、日本有機資源協会のバイオマスマークなどの認証が印刷されているのが目印です。

②袋の厚みが0.05mm以上

プラスチックレジ袋であっても厚みが0.05mm以上で、繰り返しの使用を推奨する旨が記載されているもの。

③海洋生分解プラスチックの配合率100%

海洋流出してしまった場合でも、海の微生物によって分解される海洋生分解プラスチックのみでつくられたレジ袋。

コンビニやスーパーでは有料ですが、マクドナルドやケンタッキーフライドチキンなど、多くのファストフードのお店では、バイオマスプラスチックを使用した無料のレジ袋を導入しています。

バイオプラスチックのメリットとは?

では、バイオプラスチックのメリットについてみていきましょう。

①地球温暖化の防止

バイオマスプラスチックも燃やしたときは、例外なく地球温暖化の原因とされている二酸化炭素が発生します。しかし、有機物由来のバイオマスプラスチックの場合、加工前の植物のときに光合成によって大気中の二酸化炭素を吸収しているため、排出される二酸化炭素とは差し引きゼロになります。このことからバイオプラスチックは地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出を抑えることにつながるといわれています。

②循環型社会の形成

これまでのように使い捨てをしてごみを大量に廃棄していた社会から、生ごみやこれまで捨てていた木くずなどを原料にしたバイオマスプラスチックのように資源をリサイクルする社会への移行を促進します。

③産業の成長

バイオプラスチック製品の普及によって、新たな産業が生まれます。新しいビジネスに挑戦する新興企業の成長を促し、経済が活性化します。

④農業・漁業の活性化

農業や漁業は、食料品の生産だけでなく、バイオマス製品のためのエネルギーや素材としての新たな役割が期待され、市場が活性化します。

このように、バイオマスプラスチックの普及は、ごみの削減や環境問題の改善につながり、さらに経済活動の成長にもよい影響を及ぼすことが期待されているのです。

バイオプラスチックの課題とは?

このように、バイオプラスチックは、地球環境にやさしく経済の活性化を促すというメリットがありますが、課題や見えにくい注意点もあります。

すべてが自然に還るわけではない

生分解性プラスチックは成分や環境によって生分解性が異なります。たとえば、生分解性プラスチックを代表するPLA(ポリ乳酸)は、高温多湿なコンポストの中ではよく分解されますが、自然の土壌や水環境においては分解されにくいという性質があります。ほかにも土環境では分解されやすく、水環境では分解されにくい原料などさまざまな種類があります。

日本バイオプラスチック協会によると、バイオマスプラスチックであるかどうかは、バイオマスの含有量が全体の25%以上になるかどうかが基準とされています(※3)。バイオマスプラスチックのすべてが自然に還るわけではないことを知っておいてください。

※3)日本バイオプラスチック協会「グリーンプラ(GP)識別表示制度

バイオマスプラスチックが土に還るまでに時間がかかる

もうひとつの大きな課題が、時間の問題です。微生物が分解してくれるという生分解性プラスチックですが、それには一定の時間を要します。ほんの数日や1カ月程度で消えて無くなるものではないため、バイオプラスチックであれば使い捨てやポイ捨てしても大丈夫、ということではありません。まちがった認識が広がらないように、気をつけましょう。

まずは知ることから始めましょう

私たちの生活のなかには、未来の地球環境を守るためのさまざまな活動や商品があります。今回、ご紹介したバイオマスプラスチックを使用したレジ袋も、ごみを削減し、環境問題の改善につながる施策のひとつです。

環境問題を考えるには、まずは“知る”ことが第一歩になります。たとえば今回ご紹介したバイオマスプラマークやバイオマスマーク以外にも、環境に配慮した商品であることを証明する「認証マーク」がたくさんあります。わたしたちのまわりにはどんなエコロジカルな商品があるでしょうか。ぜひ、探してみてください。

⇨エコに関連する「認証マーク」についてご紹介した記事はこちら

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